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  5. 2006年5月 Vol.10

内視鏡関連情報 NEWS SCOPE | ASP Japan合同会社 〜2006年5月 Vol.10

SIGNEA Report
第9回世界消化器病看護/技師学会(SIGNEA)参加報告

帝京大学溝口病院内視鏡室藤田 賢一

この記事のテーマ
  • 海外情報
[画像] 帝京大学溝口病院内視鏡室 藤田 賢一さん

世界消化器病看護/技師学会(The Society of Gastroenterological Nurses and Endoscopy Associates=SIGNEA *)は、1986年の第1回大会(ブラジル・サンパウロ)から、2〜4年周期で開催され、昨年、カナダ・モントリオールで9回目を迎えました。9月12日から13日までの3日間、北米をはじめ南米、ヨーロッパ、アジア、アフリカ地域から、消化器病および消化器内視鏡に従事する看護師・消化器内視鏡技師が集い、最新の臨床情報や技術情報について情報交換をおこないました。

日本からは3名の消化器内視鏡技師が参加。その一人、帝京大学溝口病院内視鏡室の藤田賢一氏による学会報告を以下に紹介します。

* ご注意:上記のリンク先ウェブサイトは、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカル カンパニーのプライバシーポリシーは適用されません。リンク先のプライバシーポリシーを確認ください。

ポスター・プレゼンテーション

カナダ・モントリオールで開催された第9回SIGNEAでの指定講演テーマは、「21世紀の胃腸病の看護」、「感染管理と内視鏡検査」、「肝臓病学」、「GERDとその合併症の管理」、「処置具の選択(ディスポor リユース)」、「患者満足度の管理」、「実践能力を生み出すスタッフ教育と入職教育」などでした。一般演題としては口頭4件、ポスター27件で、演題提出国は、カナダ(13)、アメリカ(7)、オーストラリア(2)、韓国(2)、タイ(2)、フランス、アイルランド、スペイン、ザンビア、日本(各1)でした。

日本からは、帝京大学溝口病院でまとめた研究成果をポスター演題としてプレゼンテーションしました。「Simple BacteriaCulture Test for Safety Confirmation of Endoscopes」(内視鏡の安全性確認のための簡単な細菌培養)と題して、特別な技術と設備がなくても細菌培養を可能にするコンパクトキットを開発、その有用性を検討した概要を紹介しました。試料採取用の容器と細菌を測定するための培地を含むキットを使って上部消化管処置後の内視鏡の洗浄前、ブラシ洗浄後、器械洗浄消毒後の3段階で培養測定して評価したものです。この方法は、細菌の存在を示すもので、安価であり、当該キットは内視鏡の感染制御モニタリングに適する結果が得られました。

なお、貼付するポスターには文字の大きさや1段落当たりのセンテンス数などが学会事務局から事細かに指示されていましたが、他国のポスターには、細かな字で読みにくいものや中には横長に貼って隣の区域を堂々と占領しているものもありました。日本では考えられない、おおらかさがみられました。

写真

各国の発表内容、商業展示など

SIGNEAに参加して、各国の内視鏡従事者に共通する課題は、現在推奨されている洗浄・消毒の計画案は安全を期する上での望ましいレベルより低いので、洗浄の段階を細部まで守らないと感染の起こる可能性が高いという点でした。日本においても、洗浄・消毒のガイドラインを遵守することが重要だと、あらためて感じました。

発表内容には、津波災害時のタイの経験という報告もありました。自然災害を受けた被災者の救済のための治療、看護などの医療行為の状況を述べたものです。看護面では患者のストレスを緩和することが大切で、被災した外国患者が退院する時の手紙では、「スタッフの微笑みは最良の薬」ということが書かれていたそうです。

商業展示では、日本にはない製品がみられました。主なものとして①上部内視鏡検査時に酸素の流れが鼻と口の両方向へ効率的に行くように工夫がしてあるマウスピース:酸素の管をマウスピースに直接接続できるようになっている。②GERDの管理でPPIなどの薬剤が効を示さない場合に行われる内視鏡下に噴門部を縫縮する器具:胃噴門部の胃壁の全層を把持して襞を作り、カセット式の縫合器で噴門部を縫合。食道に胃酸が逆流するのを物理的に防止する。③内視鏡用ウォシャー・ディスインフェクター: 洗浄は50℃で酵素洗剤を循環させ、消毒段階ではThermosept®ED(GA)が54℃6分で高水準消毒を達成する。などが印象的でした。

終わりに、SIGNEAに参加するには経済的問題と言葉の問題が気になりますが、言葉については、通訳がいればそれほど問題にはなりません。次期開催は2009年で場所はイギリスのロンドンです。興味のある方は今から計画されたら如何でしょうか。観光を兼ねて学会参加と施設見学などもできますし、何と言っても同じ内視鏡従事者の海外の状況を知ることは大変勉強になると思います。