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  5. 2006年10月 Vol.11

内視鏡関連情報 NEWS SCOPE | ASP Japan合同会社 〜2006年10月 Vol.11

Practice
検査・治療件数の増加に伴い 高水準消毒剤、洗浄消毒器を見直し、更新

JA北海道厚生連 札幌厚生病院

この記事のテーマ
  • リスクマネジメント
  • 内視鏡室レイアウト
[画像] JA北海道厚生連 札幌厚生病院

札幌厚生病院は、札幌市周辺地域の高度医療を担うとともに、JA北海道厚生連が運営する16病院の中核として発展してきています。内視鏡関連分野においては道内随一の検査・治療件数を施行しており、感染対策およびリスクマネジメントに関しても早くから優先して取り組んでいます。そこで、日本消化器内視鏡学会北海道支部長を務めておられる病院長の須賀俊博先生から内視鏡室の概要と感染対策、リスクマネジメントに関する方針などをうかがい、また、看護科長の伊藤香苗さん(消化器内視鏡技師)と看護部主任の浦嶋あけみさん(消化器内視鏡技師)から、消化器内視鏡看護のほか、内視鏡の洗浄・消毒で留意している点などをお話いただきました。

感染対策・リスクマネジメントは、患者さんの視点に立って取り組む

内視鏡室の特徴をあげていただけますか?

須賀当院の内視鏡室は、検査治療の集中化を行って20年以上の歴史があります。消化器科は、胃と腸、胆膵・肝臓の3科に分かれ、医師26名で診療をしています。私が昭和45年に当院に消化器医として赴任した当時から既に、内視鏡診療に積極的に取組んでいる病院でしたので、内視鏡医を志す医師が集まって、互いに研鑽を積んでレベルの向上を目指している、という伝統があります。

須賀 俊博 先生

札幌厚生病院院長
須賀 俊博 先生

内視鏡室のスタッフについてお考えをお聞かせください。

須賀内視鏡室はチーム医療が必要な部署であるため、医師とともに勉強して技術の向上を目指してもらっています。看護師人事はローテーションがありますが、日本消化器内視鏡技師の資格を取得後は、内視鏡室専任で専門性を高めていってもらうように願っています。

内視鏡室の感染対策とリスクマネジメントについて、経営者としての方針を教えてください。

須賀患者さんの視点に立てば、感染対策とリスクマネジメントは最も重要であり、医師とコメディカルスタッフがチームとして共に頑張って取組んでいかなければならない問題です。私は、内視鏡室の現場事情をよく知っていることもあり、感染対策とリスクマネジメントに必要な体制や費用等あればできるだけ後押するよう心がけています。

部門内で各種の委員会を設置して、定期的に学習会を開催

設備、器材、スタッフ共に充実した内視鏡室ですね。

伊藤スタッフ数は私を含めて26名ですが、内視鏡室だけが独立しているわけではなく、IVR、CT、MRI、RIなども含めた検査・治療を中央化して担当しています。内視鏡も含めて、検査が多くなってきているのが現状ですので、私たちも多岐に渡って専門的な知識を習得しなければなりません。

そのため、中央部門ではほぼ毎月、定期的に学習会を開催しています。新しい内視鏡的治療技術の学習の他、感染・安全・記録・業務を改善・検討する委員会が中心となり企画する学習会です。

伊藤 香苗 さん

中央部門看護科長(消化器内視鏡技師)
伊藤 香苗 さん

感染対策やリスクマネジメントに関する委員会はありますか?

浦嶋医療安全委員会と感染対策委員会があります。先月の学習会は“感染”をテーマに、内視鏡室で作っている感染対策マニュアルを再確認し、業務の改善と手順の統一を図りました。

私は、院内の感染対策委員でもありますので、院内の感染対策情報を中央部門に徹底する役目があり、場合によっては内視鏡室の感染対策を院内に発信することも務めです。

浦嶋 あけみ さん

中央部門看護部主任(消化器内視鏡技師)
浦嶋 あけみ さん

検査・治療の前日に担当看護師が病室を訪問して情報収集

内視鏡の洗浄・消毒について教えてください。

伊藤ス感染対策マニュアルのほかに、日本消化器内視鏡技師会のガイドラインにもとづいた洗浄・消毒マニュアルを作成しており、それを遵守しています。スタンダード・プリコーションを基本に全例での洗浄・高水準消毒を実行しています。検査・治療件数の増加とともに、消毒剤をグルタラール製剤からフタラール製剤に切り替え、洗浄消毒器も時間短縮ができ、コンパクトな機種に切り替えました。他に強制換気設備も整っているなど、比較的恵まれているのではないでしょうか。

前処置室

前処置室

浦嶋洗浄・高水準消毒に精通した専任の看護助手が、手際良く考えてスコープを処理してくれますので、看護師は患者さんの看護に集中することができます。

洗浄室

洗浄室

患者さんへの看護で留意している点をあげてください。

伊藤安全・安楽・安心して検査・治療が受けられるように努めることがモットーです。そのために事前に患者さんの情報を収集して共有するようにしています。たとえば入院されている患者さんの場合、検査・治療の前日に病室を訪問して、患者さんから直接お話をうかがうようにしています。イントラネット・オーダーリングシステムで基本的な患者さんの情報は入手できますが、担当看護師が事前に患者さんと個別に接することによって検査への不安感を少しでも解消できればと考えています。

浦嶋短時間でいかに患者さんと関わることができるかが難しいところです。前処置室にて検査前にオリエンテーションをして、患者さんに具体的な検査のイメージを持っていただくことによって安心して検査に臨んでもらえればと思っています。

内視鏡室のレイアウト

内視鏡室のレイアウト

施設の紹介

[画像] JA北海道厚生連 札幌厚生病院

JA北海道厚生連 札幌厚生病院

札幌市中央区北3条東8丁目5
院長 : 須賀俊博
病床数 : 494床
1日平均外来患者数 : 1,355人(平成17年度)

JA北海道厚生連 札幌厚生病院のウェブサイト

消化器内視鏡/検査・診療の概要

年間検査件数 : 16,030件(平成17年度)
 (内訳)
  上部消化管 8,500件(MP,EMR,ESDなど200件)
  下部消化管 5,200件
  ERCP 600件(うち処置360件)
  EUS 1,000件
  EIS(硬化療法)・EVL(結紮術) 330件他、
  ECDUS(内視鏡的超音波カラードプラー法)など 400件

スコープ本数 : 73本
 (内訳)
  上部消化管用 : 35本
  下部消化管用 : 20本
  その他 : 18本

洗浄消毒器設置台数 : 9台
検査ベッド数:5台、他に透視台2台
医師数: 26名
スタッフ数 : 26名(うち看護師18名、准看護師2名、パート看護師2名、看護助手2名、医療助手2名)*消化器内視鏡技師8名