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内視鏡関連情報 NEWS SCOPE | ASP Japan合同会社 〜2006年10月 Vol.11

Practice
財団法人津山慈風会 津山中央病院 内視鏡センター、泌尿器科での洗浄・消毒法をもとに院内横断的に軟性内視鏡の感染対策に取り組む

財団法人津山慈風会 津山中央病院

この記事のテーマ
  • 内視鏡室レイアウト
  • 製品導入効果
[画像] 財団法人津山慈風会 津山中央病院

岡山県北東部に位置する津山市にある津山中央病院は、津山市を中心に35万人を抱える岡山県北医療圏の中核病院として発展してきています。1999年12月に現在地に新築移転した機会に、消化器内視鏡センターを発足し、以来、県内有数の検査件数と先端的内視鏡治療実績を有してきています。そこで、消化器内視鏡センターの柘野浩史先生(内科部長)と河原祥朗先生(前内科部長、岡山大学附属病院光学診療部医師)、看護主任の花村典子さんから、内視鏡診療の特徴と洗浄・消毒についてお話いただきました。また、副院長であり感染対策委員長を務めておられる赤枝輝明先生から、ご専門の泌尿器科の内視鏡診療のほか院内全体の軟性内視鏡に関する洗浄・消毒方針などをうかがいました。

泌尿器科の軟性内視鏡の洗浄・消毒法を改善した

泌尿器科では、昔から内視鏡診療を一般的におこなっているのですか?

赤枝泌尿器科医は別名、ピーピングドクターともいわれているように100年以上前から硬性鏡で診療していましたから、内視鏡診療に関しては先駆的だといえます。私も長い間、硬性内視鏡を使っていましたが、3年ほど前に若手の泌尿器科医から軟性内視鏡に切り替える提案があってから、今では全て軟性内視鏡を使って検査をしています。検査数は、年間で840件を数えます。軟性内視鏡の方が小さな病変も見落とさずに検査ができるなどの優位性がありますが、何よりも患者さんの痛みが軽減できることが最大のメリットです。

赤枝 輝明 先生

副院長・泌尿器科部長
赤枝 輝明 先生

内視鏡の洗浄・消毒方法を教えてください。

赤枝軟性内視鏡においては、当初は、用手洗浄後、グルタラール製剤を貯め置きしたトレイに浸漬消毒していました。しかし診察室内に臭いが広がったため、酸性水を使ったりもしました。ようやく今年の初めから洗浄消毒器を導入して、グルタラール製剤の臭いもなく、満足できる状態になりました。

院内横断的に軟性内視鏡の感染対策に取り組む

先生は、感染対策委員会の委員長を務めておられますね。

赤枝そうです。当院では、感染対策面での設備投資を惜しまず積極的におこなっていますが、何よりも病院全体で継続的に感染防止活動をおこなっていくことが最も重要です。各部署からの問題を収集分析して解決するために2週間に1回、委員会を開催するほか、ICTによるラウンドも月に1回おこなっています。

委員会でこれまで軟性内視鏡の洗浄・消毒が議題になったことはありますか?

赤枝残念ながら、これまで具体的なかたちでは採り上げたことはありませんでした。前述の通り、泌尿器科で洗浄消毒器を使用した良い洗浄・高水準消毒方法をとり入れましたので、今後は院内横断的に軟性内視鏡の感染対策に取組んでいく方針です。消化器内視鏡センターは既に十分に対応していますので心配していませんが、他に軟性内視鏡を使っている耳鼻咽喉科と産婦人科に働きかけていきます。

泌尿器科の検査室

泌尿器科の検査室

ESD、PEGをはじめ内視鏡的治療術の比率が高い

消化器内視鏡センターの特徴をあげていただけますか?

柘野岡山県北部の消化器内視鏡の中核センターとして、24時間緊急対応ができる体制を整えています。緊急の吐下血止血術は平成17年度は225例でした。内視鏡的治療術の比率が多くなっている傾向にある点も当センターの特徴です。とくに、河原先生が当院ではじめられたESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)と平良明彦先生を中心に施行しているPEG(胃瘻造設術)は、全国有数の件数です。

柘野 浩史 先生

内科部長
柘野 浩史 先生

患者さんとスタッフの動線を分け、看護しやすい設計

大学病院級の消化器内視鏡センターですね。

河原大学病院以上の規模で、設備も整っていると思います。1999年に新築移転した時に、副院長の藤木茂篤先生が中心となって設計しました。レイアウトの特徴としては、患者さんは、前処置室から検査室、リカバリー室、診察室へスムーズに移動できるようになっており、スタッフの動線は患者さんの動線と分かれている点があげられます。また、患者さんのプライバシーを考慮して、診察室は独立させています。

花村リカバリー室は全体が見渡せるようになっていますので、看護しやすいですね。全体に患者さんのプライバシーを保ちながら、看護管理がしやすい設計になっている、と思います。

河原 祥朗 先生

前内科部長、岡山大学附属病院 光学診療部医師
河原 祥朗 先生

独立した洗浄室が2つありますが、どのように使い分けされていますか?

花村小さい方は処置具を主に処理する洗浄室ですが、最近は、殆どの処置具がディスポーザブル化しています。もう一方はスコープを中心に処理するための洗浄室になっています。中央にシンクがあり、左右に洗浄消毒器を配置され、奥はスコープの保管庫になっています。

医師も洗浄・消毒を学ぶことからはじめている

内視鏡の洗浄・消毒体制と方針についておうかがいします。

花村洗浄専任の看護助手が1名いますが、看護師もローテーションでスコープの洗浄・消毒を担当しています。洗浄・消毒方法は、日本消化器内視鏡技師会のガイドラインをもとにマニュアルを作成して、スタッフへの徹底をはかっています。

柘野当センターでは、研修医だけでなく、他施設から転勤して来られた医師にも、先ず内視鏡の洗浄・消毒を学ぶことからはじめています。感染防止意識を持って検査と治療をおこなうことが内視鏡医師の基本という方針です。

花村 典子 さん

看護主任(消化器内視鏡技師)
花村 典子 さん

全例で高水準消毒をされているわけですね。

花村そうです。スタンダード・プリコーション(標準予防策)の考え方のもとに、全例で高水準消毒剤で器械洗浄しています。以前は、グルタラール製剤を使用していましたが、検査件数が増えるにつれて、スコープの洗浄・消毒時間の長さが問題になってフタラール製剤に替えました。2年ほど前には、洗浄消毒器も新しいものに変更することによって、一層の時間短縮をはかり、患者さんをお待たせすることはなくなりました。

スコープ洗浄室

スコープ洗浄室

消化器内視鏡センターのレイアウト (約300㎡)

消化器内視鏡センターのレイアウト (約300㎡)

施設の紹介

[画像] 財団法人津山慈風会 津山中央病院

財団法人津山慈風会 津山中央病院

岡山県津山市川崎1756
院長 : 徳田直彦
病床数 : 525床
1日平均外来患者数 : 1,027.6人(平成17年度)

津山中央病院のウェブサイト

消化器内視鏡/検査・診療の概要

年間検査件数 : 8,751件(平成17年度)
 (内訳)
  上部消化管 5,590件
  下部消化管 2,514件
  気管支 335件
  胆道系 290件
  その他 22件他

スコープ本数 : 30本
 (内訳)
  上部消化管用 : 14本
  下部消化管用 : 13本
  十二指腸用 : 3本

自動洗浄器設置台 : 9台
検査ベッド数:5台(他に透視下3台)
医師数: 8名+岡山大学応援医師5名
スタッフ数 : 看護師8名(うち消化器内視鏡技師2名) 看護助手1名、事務2名