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  5. 2009年5月 Vol.16

内視鏡関連情報 NEWS SCOPE | ASP Japan合同会社 〜2009年5月 Vol.16

情報システム 洗浄・消毒に関する履歴管理情報のIT化について
〜内視鏡部門情報システムNEXUSと京都大学医学部付属病院・内視鏡部での応用例〜

この記事のテーマ
  • 洗浄消毒記録

内視鏡の洗浄・消毒履歴管理の取り組みを始める施設が増える中で、ITを活用した履歴管理情報の一元管理化への関心が高まっています。そこで、内視鏡部門の画像管理システム・NEXUS(富士フィルムメディカル社製)の概要と特徴、および本システムをもとに京都大学医学部附属病院・内視鏡部で応用作成した履歴管理例を紹介します。

nexussif 内視鏡検査画像管理システム

内視鏡部門システムNEXUSの概要と特徴

富士フィルムメディカル株式会社のNEXUSは、内視鏡・超音波・病理部門情報システムで、たとえば内視鏡室の予約・受付、検査、内視鏡の洗浄・消毒管理、レポート作成などを統合して管理することができます。本システムの特徴として、一つは内視鏡室等で使用する内視鏡機器のメーカーを選ばない汎用性があげられます。それは、本システムは、20年余り前からITサービス会社の住商情報システム社が顧客である医療施設からの様々な要求に応えて構築したもので、2007年より現在の富士フィルムメディカル社に業務移管された経緯からも推察されます。

また、医師、看護師、臨床工学技士、洗浄スタッフなど各職種の役割や業務内容が多岐にわたる内視鏡室のワークフローにマッチしたシステムである点も特徴です。(図1参照)

内視鏡室のワークフローの中で、たとえばレポート作成機能では、検査中に前回検査との比較やオーダー情報を参照しながらレポート作成することを可能にしています。操作画面も切り換えを極力少なくし、ユーザーの使い勝手を考慮しているシステムといえます。

nexussif 内視鏡検査画像管理システム

図1 内視鏡室のワークフロー概要(提供:富士フィルムメディカル社)

NEXUSでの洗浄・消毒に関する履歴管理情報

NEXUSの内視鏡部門情報システムの一つ、内視鏡の洗浄・消毒管理システムでの入力項目は、使用洗浄消毒器機種、内視鏡番号、洗浄者名、洗浄・消毒日時、消毒剤管理情報、漏水検知結果などです。そのうち、内視鏡番号と洗浄者名はバーコードを読み取る方式が推奨されており、洗浄・消毒日時などはタッチパネル画面で選択入力します。それらの項目を入力することによって、履歴管理情報が取り込まれて記録されていきます。

使用する洗浄消毒器がエンドクレンズ®の場合は、器械が保有する運転履歴情報として次の項目が同システムに自動的に取り込まれていくことができるようになりました。

  • 洗浄・消毒日時
  • プログラム工程名
  • プログラム稼働状況
  • 消毒剤使用回転数・日数
  • フィルター交換履歴

その他、エンドクレンズ®の操作画面上に消毒剤の濃度判定結果および内視鏡の漏水検知結果を記録すれば、自動的に保存した結果データを同システムに取り込むことができます。

京都大学病院・内視鏡部で応用した履歴管理

京都大学医学部附属病院の内視鏡室では、NEXUSにエンドクレンズ®の情報を自動的に取り込む機能を活用して、ITを活用した洗浄・消毒履歴の一元管理化を推進しています(図2参照)。臨床工学技士・消化器内視鏡技師の新田孝幸さんは、富士フィルムメディカル社と協議しながら、入力しやすく使いやすい画面になるように構成内容などを検討しました。基本コンセプトは、従来実施していた手書きによる履歴管理項目をもとに、人がチェックする部分と器械がチェックする部分を分けることでした。

検討した結果、画面全体は①基本情報(内視鏡番号、洗浄者名など)、②洗浄スタッフが入力する情報(一次洗浄の実施有無、防水キャップ取付有無、漏水検知実施有無など)、③洗浄消毒器の運転情報、④洗浄・消毒履歴情報という構成になっています。さらに、新田さんは“人間工学面から考慮して”、自然に入力や視認できるように全体の画面構成を工夫しています。イメージしたのは銀行やコンビニなどのATMのタッチパネル画面だったそうです。

操作面においては、内視鏡番号はバーコードで読み取りするものの、洗浄者名はタッチパネルで選択するようにしました。名前を選択すると予め登録した自身の顔写真がでるようにもしています。一次洗浄者と洗浄消毒器に内視鏡をセットする担当者が異なる場合は、変更ボタンをタッチして選択するようにしています。

その他、一次洗浄とブラッシングをしたか、防水キャップをしたか、漏水検知をしたか、といった点もタッチパネルでチェックするようにしたことが特徴です。「一次洗浄、漏水チェックは人が行う行為ですので、人が行った行為はしっかり入力してもらうことで洗浄・消毒する意識を維持し、学習してもらうことを期待して入力しやすい画面を作りました」と新田さんはいいます。

富士フィルムメディカル社においても、同システムの方式を高く評価しており、今後、パッケージ化を検討して標準的に使用できるようにしていく方針です。

洗浄・消毒管理システム 京大病院での応用例 図

図2 洗浄・消毒管理システム 京大病院での応用例