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内視鏡関連情報 NEWS SCOPE | ASP Japan合同会社 〜2009年10月 Vol.17

施設レポート 確実な濃度管理と独自の履歴管理で安心を提供

横浜栄共済病院

この記事のテーマ
  • 洗浄消毒記録
  • 消毒薬濃度管理
  • 製品導入効果

神奈川県横浜市栄区と鎌倉市の境界に位置する横浜栄共済病院は、地域の基幹病院としての役割を担うと同時に、住民のニーズに応える高度医療を提供しています。同院の消化器内科では、近年増加している内視鏡治療にも積極的に取り組んでいます。そこで、内視鏡エコー室 看護師の田中千鶴さん、藤田加代さん、内視鏡の洗浄を行う竹内徳栄さんに、内視鏡の洗浄・消毒に関する取り組みについておうかがいしました。

横浜栄共済病院

手書きとパソコンを組み合わせた履歴管理を実践

内視鏡の洗浄・消毒に関する履歴管理を始めた時期と経緯を教えてください。

田中当院では内視鏡検査の件数が増えてきたことを受け、5年前に洗浄消毒器をエンドクレンズ®に更新しました。消毒薬の濃度管理をベースとして薬液交換を実施することにしたのは、洗浄消毒器の更新と同時です。更新前に使用していた洗浄消毒器でも消毒薬の濃度はチェックしていたのですが、消毒薬の交換は日数を目安に行っていました。

藤田現在の洗浄消毒器になってからは、洗浄回数が35回と40回の時点でテストストリップによる濃度チェックを行っています。洗浄消毒器の操作パネルに洗浄回数が表示されますので、洗浄回数で最大40回までを目安として消毒薬を交換していました。

以前から、消毒薬の濃度やスコープの消毒、感染対策に関しては高い意識を持って取り組んでいましたが、実際に洗浄・消毒の履歴管理を始めたのは2年ほど前です。ちょうど内視鏡技師会でも履歴管理が話題になっていましたので、当院でもさらにしっかりとした履歴管理を行う必要性を感じ、管理表を用意して記入し、定期的にパソコンに転記しています。

田中 千鶴さんの写真

看護師
田中 千鶴 さん

管理している項目を教えてください。

田中洗浄消毒器の番号、洗浄回数、スコープの番号、洗浄した時間、その日の責任者の氏名と洗浄担当者の氏名を記入しています。

藤田ほかに、アルコールフラッシュ、漏水チェックを行った場合も記入しています。履歴管理表は洗浄消毒器ごとに用意しており、1枚の用紙に2〜3日分を記入できるようになっています。洗浄の記録は主に洗浄スタッフが行い、パソコンへの転記は主に私が行います。記入された用紙は1週間分ほどをまとめてパソコンに転記しています。パソコンにトラブルが起こった時に備えて、履歴管理のデータは毎月プリントアウトしてファイルに保管しています。

田中スコープの番号については、検査を行う看護師がスコープ名と番号を示すマグネットと洗浄回数を示すシールを検査室の外側に掲示するようにし、それを見て医師が所見用紙に記入しています。

藤田各スコープごとに洗浄消毒の履歴管理を実施することにより、洗浄員の責任感も強くなりました。

竹内履歴管理を始めた当初は仕事が増えることに負担を感じましたが、すぐに慣れました。今では当然のこととして行っています。

確実な濃度管理を、ディスオーパ®モニターで実現

濃度管理を確実に行うために、どのような取り組みをしていますか。

藤田テストストリップでの濃度管理は、浸漬の時間、色調の判断などが個人の主観に委ねられてしまいます。判断に迷うことも少なくありません。

竹内判断に迷ったときには、必ず他のスタッフに相談するようにしていました。

藤田テストストリップ自体も、保管方法等によって変質してしまう恐れもありますから、濃度チェックはあくまで目安と考えていました。そこで、より確実な濃度管理を行うためにディスオーパ®モニターを導入しました。このモニターでは、消毒液の濃度判定結果がPASSまたはFAILとして表示されるため、客観的なデータが得られます。濃度管理を確実に行えば、消毒薬の交換頻度も必要最小限に抑えられ、その分コストを削減できる可能性があります。その反対に、これまでぎりぎりまで消毒薬を使用しているような場合であれば、しっかりと安全マージンを持って交換するタイミングを知ることができます。モニターを使用することでしっかり消毒効果が確保されているという安心感が得られます。

田中ディスオーパ®モニターの購入を申請した時期に、他施設で内視鏡関連の感染が発生したこともあり、当院内での感染対策・危機管理意識が非常に高まっていました。申請では、濃度管理をしっかり行うことによるコスト削減と感染対策・危機管理の両面をメリットとして強調しました。

竹内ディスオーパ®モニターは濃度判定の結果がPASS/FAILで表示されるだけでなく、濃度メータも表示されます。濃度チェックを行って通常より早くメータの数が減ってきているときには、責任者に報告しています。洗浄回数 35回の時点でメータが2〜4つのときもありますので、薬液交換の時期が近付いていることの指標になります。

藤田 加代さんの写真

看護師
藤田 加代さん

竹内 徳栄さんの写真

看護助手
竹内 徳栄さん

藤田同じPASSでもメータが少なければ、薬液濃度が低くなってきていることがわかります。通常であれば35回と40回で濃度チェックを行いますが、35回の時点でメータが少ない場合は、40回で薬液を交換するまでの間は毎回濃度をチェックするようにしています。ディスオーパ®モニターによる濃度管理を始めて、現在のところ40回の交換前にFAIL判定が出たことはありません。

竹内ディスオーパ®モニターは操作方法も簡単ですから、導入後も戸惑うことなく使用しています。テストストリップでの濃度チェックと手間もほとんど変わりません。

履歴管理をスコープの管理でも活用

履歴管理データの活用法を教えてください。

藤田濃度チェックの結果を履歴管理項目として記録しているため、万が一、35回と40回のみの濃度チェックを行った洗浄消毒器で40回目にFAIL判定が出た場合にも、その間に洗浄されたスコープと、そのスコープを使用した患者さんの特定ができるようになりました。また、感染対策だけでなく、スコープの管理の面でも履歴管理は有用です。例えばスコープの破損・不具合が発生した際にも、どの患者さんに使用したスコープなのかがすぐにわかります。患者さんの所見用紙を見ればどのような処置を行ったのか、誰が使用したのかが明確になりますから、状況把握が簡単に行えるようになりました。

今後、感染対策としてどのような取り組みを行っていきますか。

藤田以前、内視鏡室のレイアウトについて検討したことがありました。当院の建物の構造上、改善の難しい部分もありますが、内視鏡室は感染のリスクが高いところですから、可能な限り改善していきたいと考えています。

田中内視鏡室スタッフの努力だけでは改善の難しい部分が多くありますから、病院としてもっと関心を持ってもらい、病院全体の感染対策に反映されていけばと思っています。履歴管理をしっかり行いその有用性を院内に示すことにより、内視鏡室の感染対策への関心が一層高まることを期待しています。

ディスオーパ®モニターの写真

ディスオーパ®モニター

施設の紹介

横浜栄共済病院

〒247-8581 神奈川県横浜市栄区桂町132

  • 院長 : 細川 治
  • 病床数 : 430床

横浜栄共済病院外観

消化器内視鏡治療/検査の概要

  • 内視鏡治療および検査件数 : 6,395件
    (内訳)
     上部消化管検査 3,821件
     下部消化管検査 1,772件
     止血術 146件
     ERCP 63件
     ESD 43件 ・ EMR 226件
     その他 324件
  • 洗浄消毒器設置台数 : 3台
  • 内視鏡検査室数 : 3室
  • スタッフ数 :
    看護師5名(うち消化器内視鏡技師2名)、看護助手1名

横浜栄共済病院 スタッフのみなさん

左から 高橋典子さん(看護師)、田中千鶴さん(看護師)、藤田加代さん(看護師)、大宅理恵さん(看護師)、竹内徳栄さん(看護助手)、中川久美さん(看護師)