1. HOME >
  2. 感染管理情報TOP >
  3. 製品関連情報誌 >
  4. 内視鏡関連情報誌 >
  5. 2011年5月 Vol.19

内視鏡関連情報 NEWS SCOPE | ASP Japan合同会社 〜2011年5月 Vol.19

施設レポート 医療機器の中央管理により洗浄消毒器保守契約の重要性を再認識した

横浜市立市民病院

この記事のテーマ
  • 保守点検
  • 病院機能評価

平成19年4月に改正医療法が施行され、全ての医療施設では医療機器に係る安全管理体制の確保や保守点検の必要性などが示されました。医療機器である内視鏡洗浄消毒器も例外ではありません。そこで、横浜市立市民病院を訪問。病院全体の医療機器の安全管理に努めている臨床工学部部門長の相嶋一登さん(臨床工学技士)から医療機器の安全管理に対する取り組みをうかがい、臨床工学部・臨床工学技士の青木宏介さん、内視鏡センター主任看護師の小島千佳子さん(消化器内視鏡技師)、内視鏡センター看護師の西潟智子さん(消化器内視鏡技師)からは、内視鏡センターの洗浄消毒器の保守管理などについてうかがいました。

横浜市立市民病院

医療機器は、未然に防げるトラブルが多く、計画的なメンテナンスが大事

臨床工学部の業務概要についてお聞かせください。

相嶋当院の臨床工学部では、私を含め8名の臨床工学技士と1名の補助者が“安全な医療機器を使用し、安全かつ効果的な医療を提供する”ことを目標に業務に当たっています。業務内容としては多岐に渡っていますが、大きく分けて2つあります。人工心肺装置などの生命維持管理装置などの操作を行う臨床業務と、直接操作はしない医療機器の保守点検などを行う安全管理業務です。

後者の場合は、機器を操作する医療従事者の後ろ盾となって医療機器自体の信頼性を維持することが役割だと思っています。飛行機に例えていえば、パイロットは整備士がちゃんと整備しているから安心して操縦に専念できる、というのと同じだろうと思います。

医療機器は、未然に防げるトラブルが多くみられます。バッテリーを換えていないために起きたトラブルも少なくありません。したがって、計画的にメンテナンスしていくことが重要になります。

相嶋 一登 さんの写真

相嶋 一登 さん
臨床工学部 部門長、臨床工学技士

院内の全医療機器を管理しているのですか?

相嶋いいえ全てではありません。平成18年から、それまで管理していた500台の医療機器以外の機器を調査していきました。まず、院内にある医療機器を見つけ出すことから始めました。次にどのようなメンテナンスが必要かを調べ、そのうち臨床工学部で管理すべき医療機器をスクリーニングしていき、現在では1,600台になっている状況です。調査している段階で、メンテナンスに要するコスト費用がわかり、それを積み上げた年間メンテナンス費用は4,000万円になっています。調査をはじめた5年前は、500台の医療機器に対して年間メンテナンス費用は1,000万円未満でしたから、3,000万円増加したことになります。逆にいえば、以前は3,000万円分のメンテナンスを臨床工学部で管理していなかったことになります。

病院側が臨床工学部から提示されたメンテナンス費用を認めたということですね。

相嶋そうです。私たちが院内の医療機器調査に取り組みはじめてから1年後の平成19年4月に医療法が改正されて医療機器保守点検を行うことが義務づけられましたが、法律の改正も後押しになってメンテナンス予算が確保できたと思います。

臨床工学部からの推奨によって、洗浄消毒器の保守契約を締結

内視鏡センターの医療機器について、臨床工学部の関わりをお聞かせください。

青木内視鏡センターが開設された平成17年の時点では臨床工学技士も医療機器について関与していませんでした。臨床工学部で院内調査をはじめた時に、私はまず手術室の調査・管理を行い、次に内視鏡センターの調査・管理に取り組みました。

どのような管理をするのですか?

青木臨床工学部で中央管理するために、医療機器を管理する台帳システムがあります。そこには、個々の機器に関する過去の履歴とか点検日、修理費用などが記されています。その点、内視鏡センターでは、過去の修理記録を全てとってあり、業者との対応も現場で行われていたことから特に問題はありませんでした。内視鏡センターには、スコープ、光源装置、洗浄消毒器、モニター、高周波電気手術器など80台ほど管理する機器があり、それら全てにバーコードを据え付けし新しい台帳を作り、中央管理することになりました。

青木 宏介 さんの写真

青木 宏介 さん
臨床工学技士

内視鏡センターでは機器管理をする専任担当者はいたのですか?

小島いいえ。故障が起きた時に従事していた者が業者に連絡してノートに記載して対応してきただけです。私たちは交替勤務で業務を行っていますので、業者の方が来られた時には、業者へ連絡した担当者が対応するとは限りません。その点、業者への対応窓口が臨床工学部一つになり、器械に詳しい臨床工学技士が対応してくれるようになって助かっています。

小島 千佳子 さんの写真

小島 千佳子 さん
内視鏡センター
看護主任、
消化器内視鏡技師

洗浄消毒器に関するメンテナンス管理状況は変わりましたか?

西潟青木さんから、定期的なメンテナンスを行うことを勧められ、私たちもその重要性を再確認したため、1年間、故障修理サービスを行う保守契約をメーカーと締結しました。日常点検については、従来通り、洗浄員が始業前と終業時に目視で行っています。

西潟 智子 さんの写真

西潟 智子 さん
看護師、
消化器内視鏡技師

洗浄消毒器の保守契約に関する予算の計上は臨床工学部で行うのですね。

青木そうです。洗浄消毒器に限らず中央管理する機器の保守契約に関する予算は臨床工学部から計上します。保守のための予算申請を病院へ行うための基礎資料作りにしても、私たち臨床工学部が行った方がよいだろうと思います。

西潟医師からの要望を受けて、機器に関する業者の方との交渉などを私たちが行っていましたが、それも結構負担になっていました。現在は、そうした交渉も専門家の臨床工学技士が行うメリットは大きいと感じています。

昨年、病院機能評価を受審されましたね。

小島はい、病院機能評価Ver.6.0で更新受審しました。内視鏡センターは、主に感染管理状況とともに機器管理状況も審査対象になりましたが、いずれも問題はありませんでした。感染対策については、現在の内視鏡センターを開設した時に、高水準消毒剤のフタラール製剤を採用し、洗浄消毒器もエンドクレンズにするなどの改善をはかりました。また、以前から1年に1回、洗浄後のスコープに対する細菌培養検査をおこなっているなど消化器内視鏡技師会の洗浄消毒ガイドラインを遵守していますので、今回の受審のために新たな改善を加えたことはありませんでした。

機器の管理については、他の受審施設では修理の履歴などが問われたようですが、当院は臨床工学部で中央管理したことによって、訪問審査で問われることはありませんでした。したがって、内視鏡治療術が増加している現在では、私たち内視鏡技師は、清潔不潔の区別や終業後の環境清掃など、感染管理業務を更に徹底していく予定です。

施設の紹介

横浜市立市民病院

〒240-8555 横浜市保土ケ谷区岡沢町56

  • 院長 : 鬼頭 文彦
  • 病床数 : 650床

横浜市立市民病院外観

消化器内視鏡治療/検査の概要

  • 内視鏡治療および検査件数 : 10,092件
    (内訳)
     上部消化管 6,150件(うち ESD 75件、
     EMR 31件、内視鏡的止血術 250件、
     EVL・EIS 64件、EUS 45件、
     拡張術・ステント留置術 29件、PEG 72件)
     下部消化管 3,050件(うち EMR 642件
     拡張術 9件、ERCP 161件)
  • 内視鏡センター スタッフ数 :
    看護師19名(うち消化器内視鏡技師13名)

旭川赤十字病院 スタッフのみなさん

左から 鈴木利哉さん(臨床工学技士)、青木宏介さん(臨床工学技士)、青柳和夫さん(臨床工学技士)、江口晶子さん(補助者)、安友芳郎さん(臨床工学技士)、佐々木博章さん(臨床工学技士)、朝藤直子さん(臨床工学技士)、大谷太一さん(臨床工学技士)、木内耕己さん(臨床工学技士)、相嶋一登さん(部門長、臨床工学技士)