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滅菌関連情報 PLASMA LINK | ASP Japan合同会社 〜2006年10月 Vol.12

Partner Interview お客様が必要とする滅菌方法への適合性を追い続けるオリンパス

オリンパスメディカルシステムズ株式会社

この記事のテーマ
  • パートナーインタビュー
  • 器材適合性

内視鏡をはじめとする医療機器のメーカーとして、グローバルに事業を展開するオリンパスメディカルシステムズ株式会社(以下、オリンパス)。今や、消化器内視鏡分野では世界の約8割のシェアを占め、揺るぎない地位を確保した同社は、ステラッド®の誕生以来、J&Jと強力なタッグを組んで、ステラッド®適合機器の開発を積極的に推進してきました。同社CDS技術開発部課長の羽鳥鶴夫氏とCDS技術開発部 課長代理の木下俊成氏に、その取り組みについて伺いました。

オリンパスメディカルシステムズ株式会社

世界で広がっていた脱EOGの流れを踏まえステラッド®適合機器の開発を93年に決断

オリンパスの外科分野の多くの内視鏡の設計はステラッド®対応がスタンダードになっています。そのきっかけは「今でも忘れられません」と同社CDS技術開発部課長の羽鳥鶴夫氏は当時をこう振り返ります。

J&Jが日本でステラッド®を発売したのは1994年でしたが、J&Jの担当者が黒いビニール袋を手にオリンパスを訪れたのはその前年93年のこと。その袋の中に入っていたのは、ステラッド®で数回滅菌した結果、素材の不適合により大きく劣化した同社の軟性内視鏡でした。「自社の内視鏡が、EOGに代わると言われていた新しい滅菌システムに耐えられないことを目の当たりにした時はショックでしたね」と同氏は語ります。

CDS技術開発部 課長 羽鳥 鶴夫 氏

CDS技術開発部 課長
羽鳥 鶴夫 氏

しかし、その後の同社の対応は迅速でした。検討を重ね、今後開発されるオリンパスの外科分野製品はステラッド®耐性の確保をめざすという決断を下したのです。日本はもちろん世界においてステラッド®が実際、どの位普及していくのか見当もつかない状況であった当時、かなりアグレッシブな決断をオリンパスが下すことができたのは、アメリカをはじめ世界各国で脱EOGの流れが急ピッチで拡がっているという状況判断ができたからにほかなりません。その上で、EOG滅菌器に代替する滅菌器があれば、その新しい滅菌器への適合をめざしていくのは、医療機器メーカーとして当然の判断だったのです。そして、換気が不要なことやコンセントさえあれば稼働できることなど、普及するための条件をステラッド®がすべて備えていたことが、同社の決断を大きく後押ししました。

オリンパスの外科分野の内視鏡はステラッド®適合がスタンダード設計に

ステラッド®耐性を持つ内視鏡開発には、部署を超え全社一丸となって取り組みました。ステラッド®適合機器を製造する専用ラインも整い、ステラッド®適合第1号となる胆道ファイバースコープ「CHF-CB30」が発売されたのは98年のことでした。

適合機器を1機種開発すると、その製品がベースとなり、水平展開する形で順調にステラッド®適合機器は増えていきました。特に、オリンパスが新規に開発する外科分野の細径の内視鏡はすべてステラッド®適合となりました。

同社のステラッド®適合戦略は、シーズ指向の発想で始まりましたが、今は市場がステラッド®適合を求め、ステラッド®適合が外科分野の内視鏡のスタンダード設計となっています。「もし、ステラッド®に耐えられない外科分野向け軟性鏡が企画されたら、それでいいと思っているのかと逆に社内の営業部門にいわれるでしょうね」と同氏は分析します。

同社の決断が間違いなかったことを実証する出来事もありました。2000年頃、オーストラリアでオリンパスは「CHF-CB30」の兄弟製品となるステラッド®適合内視鏡を発売したのですが、ステラッド®適合が引き金になり、脇役から一気に主役の座を得るほど同国でのシェアを獲得しました。「この時は、いち早くステラッド®耐性の確保に取り組んだことの真価を発揮できたと思いましたね」と同氏は語ります。

写真1

写真2

オリンパスの多彩なステラッド®適合機器

CDS技術開発部が牽引役となって必要な適合性の品質を確保

オリンパスではこうした先進的な取り組みをさらに推進する組織を2005年春に新たに発足させました。それがCDS(Cleaning Disinfection Sterilization)技術開発部です。

その業務について「医療機器は、全てのお客様に安心して洗浄・消毒・滅菌して頂けるようにしなくてはなりません。その観点であらゆる課題の解決を図ることが、私たちCDS技術開発部に課せられた使命です」と同氏は説明します。

CDS技術開発部の一番の特長は、法規制、ガイドライン、社会のトレンド等の情報を集約して、お客様の要求品質を満たす商品が開発されるように開発部をリードしていることです。「各開発者に、洗浄・消毒・滅菌に関する全ての要求事項を頭に入れたうえで適確に判断しろといっても、誰もが同じ考えをするとは限りません。そこで、私たちが一律の基準で商品が開発されるようにし、安全で広く受け入れられる医療機器の開発の仕方そのものを開発しているのです」と羽鳥氏は力を込めて語ります。

CDS技術開発部課長 代理 木下 俊成 氏

CDS技術開発部課長 代理
木下 俊成 氏

続いて、今後の耐久性の確保への取り組みについて、 CDS技術開発部課長代理の木下俊成氏は「適合性は、耐久性、滅菌の効果、滅菌後の残留毒性で評価されますが、ステラッド®において当社の検討対象となるのは耐久性です。万が一にも、危険な壊れ方をしないことが耐久性の有無を判断する上での絶対条件になります。私たちは、新しいステラッド®が発売されるたび、安全性の確保を第一に、慎重に判断してきました。今後もステラッド®の新製品が誕生すれば、そちらにも当然、可能な限り対応していきます」と語ります。

そして、羽鳥氏は「滅菌処理の手段としてオートクレーブへの適合等、より高いレベルで、より広く、お客様のニーズに応えていくつもりですが、ステラッド®を重要視していくことは、今後も変わりありません。一部機種には十分な耐性を確保できていないものもあるので、今後も検討を重ね、高次元の耐久性を確保していくつもりです。そうして得られた結果は、オリンパスとJ&Jさんのコラボレーションの結果である『適合性一覧』を通じてお客様にお知らせしていきます」と将来への意気込みを説明してくれました。

ステラッド®の長い歴史の中で、数々の課題を克服して両輪体制でステラッド®適合器機の開発に取り組んできたオリンパスとJ&J。『お客様のニーズにお応えする』という両社の強い信念がある限り、今後もオリンパスの各種医療機器開発が、両社の揺るぎない協力体制の下に進められていくのは間違いありません。